医療制度は“崩壊しない”ことで壊れる

──守られる制度、削られる納得感。


🧠 はじめに:制度は守られている。でも、誰が支えているのか?

日本の医療制度は「国民皆保険」という仕組みで、誰もが診療を受けられるよう設計されている。
だが今、その制度の“持続”は、現役世代の社会保険料という“見えない負担”の上に成り立っている。

制度は崩壊しない。だが、生活者の納得感は崩れていく。
それが、医療制度の“思想的終焉”である。


① 高齢者1割負担という“構造的優遇”

  • 70歳以上の高齢者は、条件付きで医療費の自己負担が1割
  • 高額な診療も、少ない自己負担で受けられる
  • 一方、現役世代は3割負担+社会保険料の拠出

「守られている」のは制度ではなく、“特定の世代の医療体験”である


② 現役世代の“二重負担構造”

  • 自分の医療費を3割負担
  • 加えて、社会保険料で高齢者の医療費を支える
  • 医療費は年々増加 → 保険料も上昇 → 可処分所得は減少

制度は続く。でも、現役世代の生活は“削られていく”


③ 国民は“選択”を迫られている

  • 高齢者の自己負担を引き上げるか?
  • 社会保険料をさらに上げ続けるか?
  • それとも、医療制度の設計そのものを問い直すか?

医療制度の終焉は、“制度の崩壊”ではなく、“選択肢の喪失”として訪れる


✍️ 結論:制度の持続と納得感の設計は、別の話である

医療制度は、崩壊しないように設計されている。
だがその設計は、現役世代の納得感を犠牲にして成り立っている。

制度は守られる。でも、生活者の選択肢は削られていく。
それが、医療制度の“思想的出口戦略”である。