「最大料金500円」の安心感に、ふと違和感を覚えた
京都で見かけたコインパーキングの看板。「最大料金500円」と書かれたその表示に、ふと違和感を覚えた。
一見すると、安心感のある料金設計。けれど、よく読んでみると昼間と夜間で最大料金が別々に設定されていて、合算される可能性がある。
「最大料金」という言葉が持つ安心感は、構造の中でどう機能しているのか──。
この看板を分解してみると、納得感のない構造が、誤認を生むメカニズムが見えてくる。
「最大料金」の構造を分解する──昼夜で分かれる“安心感”
昼間(8:00〜20:00)は50分200円、最大500円(1回限り)。
夜間(20:00〜翌8:00)は60分100円、最大300円(1回限り)。
24時間駐車すると、昼間最大500円+夜間最大300円=最大800円になる。
「最大料金500円」と聞くと、それ以上かからないという安心感がある。
しかし、時間帯ごとの最大料金が加算される構造では、その言葉が誤認を誘う。
👉 国民生活センター|コインパーキングの「表示」をしっかり確認しましょう(PDF) A
「1回限り」という表記も曖昧で、設計として誠実とは言い難い。
「最大」という言葉が誘う誤認──納得感なき設計の正体
「最大料金」という言葉が持つ心理的効果は大きい。
それは“安心感”を生む設計要素でもある。
けれど、構造がその言葉と整合していなければ、安心感は不信感に変わる。
「1回限り」の意味が不明確なままでは、納得感のある選択肢提示とは言えない。
誤認される構造は、すでに行政が警告していた
千葉県が指摘した「誤認を招く料金表示」の事例と、Ecoloの看板は驚くほど一致していた。
- 昼夜別の最大料金が加算される可能性が明示されていない
- 「1回限り」の意味が曖昧
- 強調表示と注意書きのバランスが悪く、誤認を誘う
表示はただの案内ではない。選択肢の設計であり、信頼の設計でもある。
今日停めた駐車料金が、明日いくら取られるのか──ちょっと楽しみやな
その“楽しみ”が、納得感のある構造かどうかを教えてくれる気がする。
誤認を生む構造は、誰かの納得感を犠牲にしている。
設計者として、私たちはその構造にどう向き合うべきか──問いは、ここから始まる。
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