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  • 答え合わせ!コインパーキング最大料金の話、続編

    答え合わせ!コインパーキング最大料金の話、続編


    このブログはコチラの記事の続きとなります⬇️
    「納得感のない構造は、なぜ誤認を生むのか?──コインパーキング看板の設計分析」

    🟨 前回の問い

    前回の記事では、あるコインパーキングの看板表記に対して
    「納得感のない構造が誤認を生むのでは?」という問いを立てました。
    昼間・夜間で最大料金が分かれているものの、実際の課金構造がどう作用するのかは一見して分かりづらく、
    制度設計としての“読者体験”に疑問を感じたからです。


    🟨 実際の支払い金額と照合の始まり

    出庫したのは、前回の記事で取り上げた看板のあるコインパーキング。
    駐車時間は「17:00〜翌13:00」、昼夜をまたぐ構成です。
    看板には「昼間最大500円(8:00〜20:00)」「夜間最大300円(20:00〜8:00)」と記載されており、
    事前の読み取りでは「昼間500円+夜間300円=合計800円」が妥当だろうと考えていました。

    実際、斜め前にある別のパーキングでは「最大12時間400円」と明記されていて、
    周辺相場との照合からも「この駐車時間なら800円くらいが自然だろう」と感じていたのです。

    ところが、実際の支払い金額は――500円。
    ここから、制度設計の文言と実際の課金構造を照合する作業が始まりました。


    🟨 AIたちとの読み比べ

    この結果を受けて、改めて制度設計の文言を照合してみることにしました。
    自分の読みでは「昼間最大500円+夜間最大300円=合計800円」が自然だと思っていたし、周辺の料金体系とも整合していた。

    そこで、AIたちにもこの看板の文言を読ませてみたところ――読み方に差が出ました。

    • GPTは「時間帯ごとに最大料金がリセットされる」という仮定を置き、なんと1,300円説を提示。
    • 一方、CopilotとGeminiは「最大料金は入庫後24時間で1回限り」という文言に着目し、800円説で一致。

    この照合の過程で、制度設計の“読み方次第で金額が変わる構造”が浮かび上がってきました。


    🟨 制度設計の再評価

    看板の文言には「昼間最大500円(入庫後24時間で1回限り)」と明記されており、
    夜間最大300円は「必要な場合のみ」発動する構造だったと考えられます。

    つまり、昼間最大が先に適用され、夜間最大は“条件次第で発動する”補助的な設計だった。
    この構造なら、昼夜をまたいでも「昼間最大だけで済む」ケースが存在し得る。

    実際に500円で済んだ今回のケースは、まさにその設計が機能した例だったと言えそうです。


    🟨 読者体験と問いの価値

    「疑ってごめん」と思える制度設計に出会えたこと。
    実際の運用は誠実で、最大料金の適用も“利用者にとって優しい形”で機能していた。

    ただ一方で、その誠実さが“分かりにくい構造”の中に埋もれていたことも事実です。
    看板の文言だけでは、昼夜をまたぐ場合の料金がどうなるかは読み取りにくく、照合しない限り納得感には至らなかった。

    だからこそ、問いを開いて照合してみることには意味があったし、
    読者体験としても“納得感の設計”につながったと思います。


    🟨 前回記事へのリンクと感謝

    この話の始まり――制度設計に疑問を持ち、構造の読み取りに悩んだ経緯は、
    前回の記事「納得感のない構造は、なぜ誤認を生むのか?──コインパーキング看板の設計分析」で詳しく書いています。

    エコロパークさん、誠実な運用をありがとうございます。
    そして、制度設計の“伝わり方”については、これからも問い続けていきたいと思います。


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  • 🏷 納得感のない構造は、なぜ誤認を生むのか?──コインパーキング看板の設計分析

    🏷 納得感のない構造は、なぜ誤認を生むのか?──コインパーキング看板の設計分析

    「最大料金500円」の安心感に、ふと違和感を覚えた

    京都で見かけたコインパーキングの看板。「最大料金500円」と書かれたその表示に、ふと違和感を覚えた。
    一見すると、安心感のある料金設計。けれど、よく読んでみると昼間と夜間で最大料金が別々に設定されていて、合算される可能性がある。
    「最大料金」という言葉が持つ安心感は、構造の中でどう機能しているのか──。
    この看板を分解してみると、納得感のない構造が、誤認を生むメカニズムが見えてくる。


    「最大料金」の構造を分解する──昼夜で分かれる“安心感”

    昼間(8:00〜20:00)は50分200円、最大500円(1回限り)。
    夜間(20:00〜翌8:00)は60分100円、最大300円(1回限り)。
    24時間駐車すると、昼間最大500円+夜間最大300円=最大800円になる。

    「最大料金500円」と聞くと、それ以上かからないという安心感がある。
    しかし、時間帯ごとの最大料金が加算される構造では、その言葉が誤認を誘う。

    👉 国民生活センター|コインパーキングの「表示」をしっかり確認しましょう(PDF) A
    「1回限り」という表記も曖昧で、設計として誠実とは言い難い。


    「最大」という言葉が誘う誤認──納得感なき設計の正体

    「最大料金」という言葉が持つ心理的効果は大きい。
    それは“安心感”を生む設計要素でもある。
    けれど、構造がその言葉と整合していなければ、安心感は不信感に変わる。
    「1回限り」の意味が不明確なままでは、納得感のある選択肢提示とは言えない。


    誤認される構造は、すでに行政が警告していた

    千葉県が指摘した「誤認を招く料金表示」の事例と、Ecoloの看板は驚くほど一致していた。

    • 昼夜別の最大料金が加算される可能性が明示されていない
    • 「1回限り」の意味が曖昧
    • 強調表示と注意書きのバランスが悪く、誤認を誘う

    表示はただの案内ではない。選択肢の設計であり、信頼の設計でもある。

    👉 消費者庁|不当表示の防止に関するガイドライン B


    今日停めた駐車料金が、明日いくら取られるのか──ちょっと楽しみやな

    その“楽しみ”が、納得感のある構造かどうかを教えてくれる気がする。
    誤認を生む構造は、誰かの納得感を犠牲にしている。
    設計者として、私たちはその構造にどう向き合うべきか──問いは、ここから始まる。


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