はじめに:そのCM、あなたはどう感じたか?
ベラジョンのCMを初めて見たとき、僕は強烈な違和感を覚えた。
「え、これって日本で流していいの?」
最初はYouTuberが軽いノリで紹介していたのが、いつの間にか著名人が登場し、地上波やSNSで堂々と流れるようになった。
その変化に、妙な“納得できなさ”を感じた。
でも、周囲の反応は意外と薄い。むしろ「海外のサービスだから合法なんじゃない?」という声すら聞こえてくる。
この違和感の正体は何なのか。
僕らは何を誤解しているのか。そして、どうすれば見抜けるのか。
今回はその構造を掘り下げてみたい。
海外サーバーだからOK?という誤解
オンラインカジノの多くは「海外ライセンス取得済み」「無料版あり」といった文言を前面に押し出している。
これが“合法っぽさ”を演出する最大のトリックだ。
しかし、日本の刑法では国内からの賭博行為は原則違法。
サーバーが海外にあっても、利用者が日本にいれば違法性が問われる可能性が高い。
実際、過去にはオンラインカジノ利用者が逮捕された事例もある A B。
つまり、「海外だからOK」というのは、法的には根拠がない。
にもかかわらず、CMではそのグレーゾーンが巧妙にぼかされている。
広告戦略の変化と企業の倫理観
初期はYouTuberを起用し、若年層に親しみやすくアプローチ。
そこから著名人へとシフトし、信頼感と安心感を演出する。
これは広告戦略としては非常に洗練されているが、倫理的にはどうなのか?
広告を流す企業も、スポンサーを受ける団体も、「短期的な収益」を優先しているように見える。
だがその選択は、社会的信頼やブランド価値を損なうリスクを孕んでいる。
違法性が指摘される業界の広告を流すことは、企業の姿勢そのものが問われる行為だ A。
若い世代は本当に騙されているのか?
一見すると、若い世代はこうした広告に流されやすいように見える。
だが、実は情報の違和感に敏感な層も増えている。
SNSでは「このCMって大丈夫なの?」と疑問を投げかける投稿も見られるし、
ファクトチェックを行うアカウントも活発化している。
とはいえ、情報量が多すぎる今の時代では、すべてを見抜くのは難しい。
だからこそ、個人が“違和感”を言語化し、構造を見抜く力=情報リテラシーが求められる。
僕らにできること:違和感を放置しない
違和感は、思考の起点だ。
「なんかおかしい」と感じたら、それを放置せず、調べてみる。構造を掘り下げてみる。
そうすることで、広告の裏側や企業の姿勢、社会のグレーゾーンが見えてくる。
そしてその気づきを、言葉にして発信する。ブログでもSNSでもいい。
違和感を納得感に変えるプロセスこそが、情報社会を生き抜く武器になる。
終わりに:あなたは何を信じているか?
オンラインカジノのCMは、単なる広告ではない。
それは、僕らのリテラシーを試す問いかけでもある。
- この情報、信じていいのか?
- この企業、信用していいのか?
- この違和感、見過ごしていいのか?
僕は、違和感を信じることにした。
それが、納得感ある選択肢をつくる第一歩だから。
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